転職活動を「仕事を辞めてからする場合」と「仕事を続けながらする場合」の2パターンがありますが、実際のところどっちが良いんでしょうか?
結論から先に話しておくと、もしあなたが”今の仕事を辞めてから”転職活動をしようと思っているなら、「現職を続けながら転職活動をすること」を僕はおすすめしています。
現職を辞めてから転職活動をすると、選考で不利になることが多いです。
Contents
今の仕事を辞めてからの転職活動がオススメできない3つの理由
現職を辞めてからの転職活動は、可能な限り避けることをおすすめしています。その理由は大きく3つあります。
1. 面接官の心象が悪くなりやすい
まず一つ目は、面接官の心象が悪くなりやすいからです。
一般的に、現職を辞めた状態で転職の面接を受けると、面接官の心象は悪くなりがちです。そのため、書類選考段階で足切りをされやすい可能性が、そうでない場合と比べると高くなる傾向があります。
もちろん、これは業界や企業、さらに細かく言えば面接担当者にも寄り切りです。ですが、私が今まで見てきた多くの企業担当者(特に大手企業&人気企業)は、現職がない方を書類選考時点で足切りしているケースが多かったです。
なぜ現職を辞めてから転職活動をすると心象が悪くなるかというと、現職がない人は、一般的に「前の仕事が嫌で辞めたんだろう」と捉えられがちだからです。
転職が容易になった今のご時世、「今の会社が嫌だ」という理由で無計画に仕事を辞め、それから転職活動をしている人はいっぱいいます。そして、企業はそういう人を数多くみているんですよね。たとえ、実際のあなたはそうでないとしても、「きっと同じパターンなんだろうなぁ」と括られることが多いんです。
もちろん、現職を辞めていても、企業を納得させられるだけの理由があれば良いです。でも、「忙しくて転職活動をする暇がないから、まずは辞めてから転職活動をしたい」などの理由の場合、納得してもらうには理由が弱いし、かつ次項以降のデメリットも絡んでくるのでおすすめしていません。
2. 退職期間が長くなるほど更に不利になっていくから
二つ目は、退職期間が長くなればなるほど、選考は更に不利になっていくからです。
仕事を辞めてしまうと、辞めた日からブランク期間はスタートします。すぐに転職先が決まれば良いですが、それでも転職活動が難航した場合、3ヶ月、半年とかかるケースもあります。
問題なのは、その期間が長くなればなるほど、採用のハードルが上がるという点です。特に、ブランク期間が半年以上ある場合は難易度が更に上がるケースが多いため、長くても半年以内に転職をすることがポイントです。
日本企業はまだまだ古い体質のところが多いです。一つの会社で長く働くことを美徳とするのが一般的です。そこに、前職を辞めてから半年以上も無職の人が面接に来たら、「なんでこの人は半年も無職期間があるんだろう?」と、始めからマイナスの印象で選考がスタートします。
あなたの能力が高くて、どれだけブランクがあっても必要とされる人材ならいいです。でも多くの人はそうじゃない。だからこそ、できるだけマイナスポイントは排除しておくことが必要です。
3. 精神的に焦って転職先を決めてしまいやすい
3つ目は、現職を辞めてからの転職活動は、精神的に焦って転職先を決めてしまいやすいからです。
現職を辞めると、副業でもしてない限り収入はゼロです。もしあなたに貯金がなければ、日に日にお金は減っていく一方です。ブランク期間も長くなると、嫌でも時間的なリミットや焦りを感じるようになります。
このように、仕事を辞めてしまうと、常に「早く就職しなきゃ・・」という気持ちと隣り合わせになります。そうすると、本当はもっと良い条件のところに入りたかったにもかかわらず、妥協して転職先を決めがちですなんですよね。
実際にこうやって焦って転職先を決める人は多くいます。でもこうやって焦って転職をした人は、転職した後に「やっぱ違う・・」とまた仕事を辞めて転職活動を繰り返しやすいんです。それじゃ意味ないですよね。
選ばなければ、世の中に求人は山ほどあります。でも、人ってやっぱり選びたいんですよ。できるだけ給料も多い方が良いし、できるだけ休みも多い方が良い。でもそういう求人は絶対数が少ないので、じっくり粘って転職活動をすることが必要です。
仕事を辞め、リミットが迫ってくる中で焦って選ぶことは、じっくり良い企業への入社を目指すプロセスと逆行しています。だからこそ僕は、現職を続けながら転職活動をした方が、満足いく転職ができると思うんです。仕事を続けていれば、焦る必要はないですからね。お金もあるし、ブランク期間もできない。良い企業へ入社できる可能性はこっちの方が高いです。
仕事を辞めてから転職活動をするメリットは弱い
とはいえ、現職を辞めてから転職活動をして成功している人もいます。一般的に、仕事を辞めてから転職活動をするメリットは以下のものがあります。
- 応募先や志望先の情報収集に時間を多く割くことができる
- 面接のスケジュール調整がしやすい
- リフレッシュした状態で転職活動に臨むことができる
ただこれらって、別に仕事を辞めなくてもできることです。応募先の情報収集は平日夜や休日にやれば良いし、面接のスケジュールだって平日夜や有給を使えば済みます。リフレッシュした状態とは言いますが、仕事を辞めた状態で転職活動をし、受からない日々が続いた方が僕は辛いと思います。
今の仕事を辞めてから転職活動をするメリットって凄く弱いんですよ。その上不確実なものが多い。だから、もしあなたが今よりも好条件の転職をしたい場合、仕事を辞めて転職活動をすることは僕はおすすめしません。
転職は辞めてからじゃなく、辞める前にしよう
述べてきたとおり、現職を辞める前の転職活動は選考で不利になりやすいため、可能な限り現職を続けながら行うことがおすすめです。
「現職が忙しくて、転職活動をする暇がない」と言っていたら、いつまで経っても現状は変わりません。最近は平日夜から面接を組んでくれる企業も多いです。それに会社員には有給休暇があります。どうせ辞めるつもりなら有給休暇を使えば良いんです。一度はずる休みをするというのも一つの手です。あなたの人生がかかっているんですから。現職に気を使いすぎることはありません。
それに、転職エージェントを使えば、企業リサーチや選考の日程調整はぜんぶ彼らがやってくれます。忙しくて転職活動をする暇がないなら、まずは1時間だけで良いので、転職エージェントと面談を入れましょう。そうすればあとはスムーズに転職活動を進められますよ。
《決定版》20代におすすめの転職エージェント5社を転職のプロが挙げる
転職前でも仕事を辞めて良い唯一の例外
述べてきたとおり、僕は仕事を続けながら転職活動をすることを勧めていますが、唯一例外があります。それは、今の仕事がきつすぎて、精神的にどうかなってしまいそうなほど病んでいる場合です。
キャリアよりも重要なのは、あなたの身体です。健康を損ねてしまうまで働く必要はありません。だからもしうつ病手前まで行っている状態なら、次の仕事が決まらなくても今の仕事は辞めて大丈夫です。決して無理をしないように。そう思います。